地震後の瓦屋根修理、悪質訪問勧誘にご用心!全日本瓦工事業連盟が注意喚起と安全な瓦屋根の知識を提言
地震後の瓦屋根修理、悪質訪問勧誘に注意!
最近の地震災害に便乗し、被災地で瓦屋根修理に関する悪質な訪問勧誘が相次いでいます。一般社団法人全日本瓦工事業連盟は、このような状況に対し、被災された方々への注意喚起と提言を発表しました。
災害が発生すると、屋根の修復を急ぎたいという切実な気持ちにつけ込み、稚拙な技術での施工や高額な請求を行う悪質業者が現れることがあります。東日本大震災や令和元年の房総半島台風でも、多くの被災者が二次被害に遭いました。
連盟加盟の事業所では、被災地での屋根修復工事に尽力していますが、人手不足のため、修理までにお時間をいただくのが現状です。被災された皆様には、修理には時間がかかること、そして高額な修理金額を提示する訪問勧誘には十分ご注意ください。
悪質業者の手口とは?
悪質な瓦施工業者は、被災された方々の家屋を訪問し、言葉巧みに修理依頼を誘導します。その手口は多岐にわたり、以下のようなケースが多く報告されています。
- 施工不良: 不適切な工事によって、かえって家屋に損害を与えることがあります。
- 不適切な材料の使用: 安価な材料や不適切な材料を使用し、品質の低い修理を行います。
- 虚偽の説明: 実際とは異なる説明や、不要な工事を勧めることがあります。
- 工事の遅延や未完成: 工事を途中で放置したり、完了までに不当に時間をかけたりします。
- 不正な料金請求: 事前説明のない追加料金や、相場よりもはるかに高額な料金を請求します。
- 保証やアフターサービスの欠如: 工事後の不具合に対応しないなど、無責任な対応が目立ちます。
瓦屋根だけが被災するわけではありません
地震や台風のニュースで、屋根瓦が落下・飛散する映像が繰り返し報道されることがあります。しかし、被害に遭っているのはほとんどが古い家屋です。
瓦は古くから日本の家屋を守ってきた屋根材ですが、旧来の工法では土の固着力だけで瓦を固定しており、釘やビスでの留め付けが行われていないことがありました。また、古い家屋は建物の躯体が脆弱で、現在の耐震基準を満たしていないことが多いため、地震で倒壊しやすい傾向にあります。
このため、倒壊した古い家屋に瓦が葺かれていることで、「倒壊の原因は瓦屋根である」という誤った認識が広まってしまうことがあります。実際には、瓦屋根以外の屋根材の家屋も倒壊したり、強風で屋根材が飛ばされたりする被害は発生しています。被災するのは決して瓦屋根だけではないのです。建物の躯体が脆弱であれば、どのような屋根材であっても倒壊や飛散のリスクはあります。
瓦屋根は安全です
一般社団法人全日本瓦工事業連盟では、平成13年より「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(通称:瓦ガイドライン工法)を制定し、安全な瓦屋根の普及に努めてきました。このガイドライン工法は、国関係機関の監修のもと、地震や風で瓦が落ちないよう、瓦を釘やビスで全て留め付ける工法を推奨しています。
実際に、東日本大震災、熊本地震、令和元年房総半島台風などの大規模災害では、瓦ガイドライン工法で施工された家屋では瓦が落ちていないことが、国関係機関の調査で判明しています。

瓦ガイドライン工法は法制化されました
令和4年1月には告示109号が改正され、「2021年改訂 瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」はその改正内容を補完するものとして位置付けられました。現在では、新築で瓦ガイドライン工法による施工をすることが法律で義務付けられており、この工法で施工していなければ法律違反となります。これにより、災害による被害から家屋を守るための基準がより一層強化されています。

瓦屋根のコーキング(シーリング)施工にはご注意を
近年、「ズレた瓦をコーキング(シーリング)で固定します」と提案する訪問販売業者が増えています。しかし、コーキングは、本来、建築物の隙間を埋めて気密性や防水性を確保するための材料であり、瓦を固定するために用いるものではありません。
瓦屋根をコーキングで過度に密閉すると、本来備わっている排水機能が損なわれ、雨漏りの原因となる場合があります。瓦屋根の耐風性能や耐震性能を確保するためには、新築工事と同様に、釘やビスなどによって瓦を適切に緊結・固定することが基本です。コーキングのみで瓦を固定する施工では、十分な性能を確保することはできません。
リフォーム工事を依頼する際は、「コーキングで固定する」という説明だけで判断せず、釘やビスなどによる適切な固定工法が採用されているかをご確認くださいね。
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