知財の仕事、AIにどこまで任せられる?Patsnapが知財専用AI評価のグローバルスタンダードを発表
知財実務の「精度の壁」と汎用AIの限界
知財調査の現場では、「精度の壁」が常に存在します。特許文献特有の抽象的な表現や、企業ごとに異なる専門用語(表現のゆれ)により、重要な先行文献を見落とすリスクが付きまといます。数百件もの公報を精査するには、熟練の担当者でも数日から数週間を要するのが実情なのです。
多くの企業がこの業務負荷を軽減しようと生成AIの導入を検討していますが、ウェブ上の汎用的なテキストを中心に学習したAIにとって、「特許」という特殊な世界は、全く異なるルールで動いています。汎用LLMでは、特許特有のセマンティクスやクレーム解釈、知財固有のワークフローを十分に理解することが難しく、実務判断を伴う業務には構造的な限界があると言えるでしょう。汎用LLMが生成する「もっともらしい回答(ハルシネーション)」を鵜呑みにしてしまうと、製品戦略の誤認や深刻な法的リスクにつながる可能性も指摘されています。
知財特化型AIベンチマーク「PatentBench」による検証
AIがどこまで特許実務を支援できるのかを定量的に評価するため、Patsnapは独自のベンチマーク「PatentBench」を構築しました。このベンチマークでは、Patsnap Eureka新規性調査エージェント、ChatGPT-o3(ウェブ検索対応)、DeepSeek-R1(ウェブ検索対応)の3モデルが同一条件で比較されました。

その結果、Patsnap Eurekaは、Top100の結果におけるX検出率で81%、Xリコール率で36%を記録しました。これは、汎用モデルに比べて、より正確にX文献を特定し、より漏れなく拾い上げられるAIであることを示しています。


IP実務をこなすAIエージェント「Patsnap Eureka」
汎用LLMが専門領域で「幻覚」や実行力の限界に直面する一方で、注目されているのが「領域特化型AIエージェント」です。これは単なる対話モデルではなく、業務文脈を理解し、現場のワークフローに沿って実務を遂行する「実働型AI」と言えます。
Patsnap Eurekaは、特許実務で頻繁に発生する高負荷タスクに対応するため、新規性調査、FTO調査、明細書作成、特許翻訳など、複数のエージェントを実装しています。例えば、新規性調査エージェントは、先行技術抽出から要素分解、複合検索式生成、スクリーニング、クレーム対応付け、比較表・レポート作成までを自動化します。結果は根拠付きで編集可能な形式で出力され、専門家がそのまま利用できるため、従来1〜2週間かかっていた調査業務が、数分〜数時間へと大幅に短縮されることが期待されます。
圧倒的な専門データ量と実務理解
Patsnapは、10年以上にわたり技術・特許領域に特化してきました。現在では、174か国・2億件以上の特許データ、2億件以上の論文などを収録しており、これらのデータには、重複排除、構造化、正規化、専門家監修によるラベリングといった多段階の加工が施されています。
また、世界15,000社以上の顧客を支援する中で、特許エンジニア、代理人、企業IP部門の実際のワークフローや判断基準を体系的に抽出し、それらをエージェントの行動ロジックとして実装してきました。Patsnap Eurekaが目指すのは、新しいAI製品を提供するだけでなく、IPとR&Dの専門家と共に課題解決を進める「次世代のパートナー」となることだそうです。

Patsnapについて
Patsnapは2007年にシンガポールで創業し、グローバル投資家の支援を受けながら、AIツール分野のグローバル企業へと成長を遂げています。
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Patsnap本社: シンガポール
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Patsnap日本: 東京都港区新橋
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日本代表: Guan Dian (Co-founder, APAC General Manager)
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コーポレートサイト: www.patsnap.jp
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