2025年度の企業倒産、2年連続で1万件超え!物価高・人手不足が中小企業を直撃しています
業種別に見る倒産動向:サービス業・小売業が最多を更新
業種別では、7業種中5業種で倒産件数が増加しました。特に『サービス業』が2677件(前年度比1.5%増)で最も多く、『小売業』が2233件(同5.9%増)と続いています。これら2業種は、ともに2000年度以降で最多を更新しました。
『建設業』(2041件、同5.6%増)と『不動産業』(309件、同4.4%増)も過去10年で最多を記録しています。一方、『運輸・通信業』(457件、同0.2%減)は微減したものの、3年連続で400件を上回る状況が続いています。

サービス業では、医療スタッフの確保難や代表者の高齢化を背景に「医療」分野での倒産が2000年度以降で最多となりました。小売業では、物価高や人件費高騰が影響し、「飲食店」の倒産が2000年度以降で最多、「飲食料品小売」も2番目に多い件数となっています。
倒産主因の分析:「不況型倒産」が全体の8割以上を占める
倒産の主な原因としては、「販売不振」が8478件(前年度比2.6%増)で最も多く、2年連続で8000件を超えました。「売掛金回収難」や「業界不振」などを含めた『不況型倒産』は合計8608件(同2.6%増)となり、4年連続で増加し、全体の82.5%を占めています。
また、「経営者の病気、死亡」が350件(同10.8%増)で2000年度以降の最多を更新。「放漫経営」も194件(同19.8%増)と4年連続で増加し、過去10年で最多となりました。

倒産態様と規模:清算型が多数、中小零細規模が目立つ
倒産態様別では、『清算型』倒産が1万115件(前年度比3.2%増)となり、全体の97.0%を占めました。その内訳では、「破産」が9725件(同3.1%増)で全体の93.3%を占め、「特別清算」は390件(同5.7%増)で2000年度以降最多を更新しています。
『再生型』倒産は310件(同16.5%増)発生し、「民事再生法」が301件(同19.0%増)でした。

負債額規模別では、「5000万円未満」の倒産が6475件(前年度比5.8%増)で2000年度以降最多となり、全体の62.1%を占めました。
資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が7580件(前年度比6.0%増)発生し、全体の72.7%を占めました。件数、構成比ともに2000年度以降で最多となっています。

業歴と地域別の傾向:老舗企業も影響、地域差も
業歴別では、「30年以上」の倒産が3278件(前年度比2.1%増)で最も多く、全体の31.4%を占めました。このうち、業歴100年以上の老舗企業は147件の倒産が判明しています。

地域別では、『東北』を除く8地域で過去10年で最多を記録しました。『関東』(3525件、前年度比1.6%増)が全体の33.8%を占め、『近畿』(2700件、同4.0%増)も増加が目立ちます。
増減率では、『北陸』(375件、同16.1%増)が最も高く、全県で前年度を上回りました。

注目の倒産動向
ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産は減少傾向
「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」は625件(前年度比8.2%減)判明し、2年連続で減少しました。業種別では『小売業』(146件)が最多で、「飲食店」(61件)や「飲食料品小売」(31件)など食品関連の倒産が目立ちます。

人手不足倒産は過去最多を大幅更新
「人手不足倒産」は441件(前年度比26.0%増)判明し、初めて400件を超え、過去最多を大幅に更新しました。業種別では『サービス業』(114件)が最も多く、『建設業』(112件)、『運輸・通信業』(69件)が続きました。小規模企業(従業員10人未満)が全体の約75%を占めています。

後継者難倒産は2年ぶりに増加
「後継者難倒産」は533件(前年度比5.1%増)判明し、2年ぶりに前年度を上回りました。3年連続で500件を超えて高水準で推移しており、業種別では『建設業』(123件)が最も多くを占めています。2025年度で過去最多となった「経営者の病気・死亡」は、後継者難倒産の45.2%を占める結果となりました。

物価高倒産は2年連続で過去最多を更新
「物価高倒産」は963件(前年度比4.1%増)判明し、2年連続で900件を超え、過去最多を更新しました。業種別では『建設業』(247件)が最も多く、『小売業』(227件)、『製造業』(177件)が続いています。

今後の見通し:厳しい経済状況と二極化の加速
2025年度の企業倒産は2年連続で1万件を超え、小規模倒産が大半を占める状況です。長引く物価高に加え、人件費高騰、金利負担増加といったコスト上昇分を販売価格に転嫁できない中小零細企業の厳しい現状が浮き彫りになっています。
海外情勢の急激な変化も、日本経済に大きな影響を与えています。アメリカの関税政策による大手企業の業績低迷、日中関係の悪化による訪日中国人の減少やレアアースの輸出規制、さらには米国とイスラエルによるイラン攻撃をきっかけとした原油価格の急騰など、多方面からの圧力がありました。
中小事業者の利益保護と取引適正化を目的とした「中小受託取引適正化法」が施行されたものの、価格転嫁率はまだ低い水準にとどまっています。今後は原油高騰の影響で、燃料や化学品だけでなく、プラスチック製品、建材、アパレル資材、飼料など幅広い分野で価格が上昇し、企業の仕入れコストが増加する懸念が広がっています。原油供給量の減少が続けば、幅広い分野で減産や生産中止に陥り、サプライチェーンの断絶のリスクも高まるでしょう。
手元資金の乏しい企業にとっては調達が困難となり、経営が立ち行かなくなる可能性も出てくるかもしれません。同業者間でも、経営基盤の安定性やコスト上昇への対応力、価格転嫁の可否などによって優勝劣敗が明確になり、二極化が進んでいくことは避けられないでしょう。夏頃から倒産が急増する懸念があり、2026年度は倒産が増加する可能性が高いと予測されています。
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